こんにちは、映画好き大学生のらー(@daigakuseieiga)です。
今回は『パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち』に登場した「アステカの金貨」について考察していこうと思います。
『パイレーツ・オブ・カリビアン』は世界史を勉強してから観直すとまた違った面白さがありますよね〜#パイレーツ・オブ・カリビアン #金曜ロードショー #パイレーツオブカリビアン
— らー@2023年に映画を100本観る大学生 (@daigakuseieiga) January 20, 2023
アステカの金貨とは?
『パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち』でキーアイテムとなっていたアステカの金貨ですが、そもそもアステカの金貨とは一体どういうものなのでしょうか。
作中ではバルボッサがこの金貨について「征服者コルテスに届けられた882枚の金貨で、アステカの神が金貨を1枚でも持ち出したものに終わりなき罰を与える呪いをかけたもの」と話していました。
イスラ・デ・ムエルタ島へ辿り着きこの金貨を発見したバルボッサ一味は金貨を使ってしまったため、終わりなき罰を受けることになってしまいます。
これらのアステカ・征服者コルテス・終わりなき罰について詳しく解説していきます。
アステカとは?
まず、金貨の名前の基となっている「アステカ」について説明します。
アステカとは実在した王国である「アステカ王国」のことです。
アステカ王国は14〜16世紀にメキシコ中央高原に栄えた王国で、湖の上に浮かぶ島に建設されたテノチティトランを首都としており、石造の技術に優れていました。
そのように高度な文明を築いて繁栄していたアステカ王国ですが、1521年にスペインのコルテスによって征服され、滅亡してしまいました。
コルテスって何者?
作中でも言及されていたコルテスですが、一体何者なのでしょうか。
コルテスは征服者(コンキスタドール)と呼ばれる、ラテンアメリカで征服活動や植民地経営を行ったスペイン人の1人です。
当時、世はまさに大海賊時代であり、アメリカ大陸の発見やマゼラン艦隊が世界一周を達成した勢いに乗り、スペインは大陸を自国の勢力圏に入れるため各地にコンキスタドールを送りこみました。
そしてそのコンキスタドールの1人がコルテスだったのです。
アステカ王国に莫大な財宝が蓄えられていることを知ったコルテスは王国を滅ぼし、その財宝を略奪しました。
ここで1つ興味深い話があります。
当時のアステカ王国には「かつて国を追われた白い顔の神、ケツァルコアトルがいつの日かアステカに再来する」という予言が存在しました。
そしてコルテスは白人であったため、コルテスこそが白い顔の神ケツァルコアトルの化身なのではないかとアステカ王国の人々は勘違いしたのです。
そのため、不運にもコルテスを神の化身と思い丁重にもてなしてしまったアステカ王国の人々はそのままコルテスによって征服されてしまったのです。
アステカ王国・コルテスとパイレーツ・オブ・カリビアンの関連性
ここまでが実際の歴史上の出来事です。
これらの出来事と『パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち』を結びつけて考えるとどのようなことが分かるのでしょうか。
まず分かるのはアステカの金貨が石造りの箱に入っていた理由です。
先程も言ったようにアステカ王国は高度な石造技術を保有していました。
そのため、この技術を用いてアステカ王国の人々は石造りの箱を作り、金貨を入れたのではないかと考えられます。
また、コルテスがアステカ王国を征服した時の一連の出来事を踏まえると、金貨に呪いをかけた「アステカの神」の正体にも検討がつきます。
バルボッサは「アステカの神たちが金貨に呪いをかけた」と言っていました。
その神の1人がケツァルコアトルなのではないかと思われます。
つまり、アステカ王国の人々はコルテスをケツァルコアトルの化身と勘違いしていましたが、パイレーツ・オブ・カリビアンの世界では実際にこの時ケツァルコアトルが再来しており、アステカ王国を征服して人々を虐殺したコルテスに復讐するために金貨に呪いをかけたのです。
結局、史実の通りアステカ王国は滅亡してしまいましたが、この呪いはコルテスに一矢報い、ついでに海で悪行を働く海賊たちにも罰を与えるという結果になりました。
終わりなき罰
では次にアステカの金貨を持ち出してしまった場合に受けることになる「終わりなき罰」について考えます。
終わりなき罰とは
・酒をいくら飲んでも酔わない
・食べ物を食べようとしても舌の上で灰となる
・女遊びをしても心が癒されない
などを含んだ「欲望が満たされない」というものがあります。
また、終わりなき罰には「永遠に生き続ける」というものもあります。
作中でもいくら剣で刺されたり銃で撃たれたりしても息絶えない様子が描かれていました。
これは一見すると良いことのように思われるかもしれませんが、欲望が満たされない状態でずっと生き続けなければならないというのは想像を絶する苦痛なのではないでしょうか。
そのため、バルボッサ一味は終わりなき罰から解放されることに執着していました。
また、終わりなき罰にかかっている人物には見分ける方法が存在します。
それは月明かりに照らすことです。
終わりなき人物にかかっている人物が月明かりに照らされると、その人物は骸骨の姿に変貌します。
作中でもイギリス海兵がバルボッサの船の海賊が骸骨に変わるのを見て自分たちの船が襲われているのに気づいていました。
終わりなき罰を終わらせるためには
では終わりなき罰を終わらせるためにはどうしたらよいのでしょうか。
そもそも、「終わりなき」と言っているため終わらせることができないようにも思われますが、終わらせる方法はちゃんとあります。
その方法とは、「アステカの金貨を全て石造りの箱に戻し、償いの血を注ぐ」ことです。
そのため、バルボッサたちはアステカの金貨を求めて各地を襲っていました。
そして「償いの血」とは「金貨を持ち出した者、もしくはその者の血族の血」であると考えられます。
このことはエリザベスの血では呪いを解くことができず、金貨を持ち出した人物の1人であるビル・ターナーの息子ウィル・ターナーの血を注いだことで呪いが解けたことから分かります。
終わりなき罰を最初に受けた人物
ここで気になってくるのが、「なぜバルボッサは終わりなき罰から解放されるための方法を知っていたのか」ということです。
終わりなき罰から解放されるための方法が明らかになっているということは、おそらくバルボッサたちよりも前に終わりなき罰を受けた人物がいるのではないかということが考えられます。
ではそれは一体誰なのでしょうか。
これまでのことから考えると、終わりなき罰を受けた人物として考えられる中で最も有力な人物はコルテスです。
そもそもコルテスに罰を与えるために呪いがかけられたのですから当然と言えば当然なのですが、コルテスがまず最初に終わりなき罰を受け、その呪いを解くために試行錯誤した結果、償いの血を注ぐ必要があることに気づいたのではないでしょうか。
そしてバルボッサは自身が呪いにかかった後、呪いを解くための方法を探し回ってその情報を得たのだと考えられます。
おわりに
最後までお読みいただきありがとうございました。
当ブログ「男子大学生の映画部屋」ではこの他にも映画の感想や考察を紹介していますので映画好きの方もそうでない方も楽しんでもらえたら嬉しいです。
ではまた。